小説

守り神

「ぎゃー!!」 私のシルエットを認め、あの子が甲高い叫び声をあげた。 窓ガラス一枚を隔てて、実際に姿は見えなかったが、その真ん丸に見開かれた目、驚いた時や怖い時に寄る鼻の皺の形は、まだ鮮明に思い浮かべる事ができる。その顔を私はよく知っている…

読み終わったら、あなたも、きっと……。

なつめです。これは私の職場で本当に起こった出来事です。 2017年4月。 恐ろしい伝染病が、局地的に大流行していた。 その恐ろしさの所以は、なんといっても強力な感染力であろう。手洗いやマスクなどの予防は全く効果がない。保菌者に触れずとも感染し…

無口なココロ

トフィーです。なつめさんが以前書いた小説「おしゃべりなココロ」から着想を得て、オムニバス的な続編を書きました。とある会社の人事部の様子です。 「中山さんは気が利くねぇ」 職場では、今日も後輩が褒められている。俺から言わせてもらえば「点数稼ぎ…

おしゃべりなココロ

なつめです。今回はちょっと趣向を変えて小説風にお届けします。 「心の声の翻訳機……?」 店頭に並べられた、見慣れない商品の説明を読んでいて、思わず声が漏れた。幼い頃に一時期話題になった、犬の言語翻訳機なる物の存在をふと思い出す。あの時にその商…