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褒めて育てる、の落とし穴 ~褒め方の失敗例と成功例3パターンから考える~

今回はわたくしなつめの個人記事です。

「わたしって褒められると伸びるタイプだからぁーー」
こんな言葉を耳にした事はありませんか?
昔からよく使われている表現ですが、「褒められると伸びる」これはどうやら本当らしいです。
ある実証実験の結果がそれを示しています。

まず、48人の成人にトレーニングを行い、ある連続的な指の動かし方(30秒間のうちにキーボードのキーをある順番に出 来るだけ早く叩く)を覚えてもらいます。そして、この指運動トレーニングをしてもらった直後に、被験者を3つのグループにわけ、“褒められ”実験をしました。ある人は“自分が評価者から褒められる”グループ、別の人は“他人が評価者から褒められるのを見る”グループ、さらに別の人は“自分の成績だけをグラフで見る”グループの3つのグループです。すると、自分が評価者から褒められたグループは、次の日に覚えたことを思いだして再度指を動かしてもらうときに、他のグループに比べて、より“上手”に指運動が出来ることがわかりました。運動トレーニングの直後に褒められることが、その後の運動技能の習得を促したことがわかります。
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 生理学研究所 HPより)

 

“褒められる”ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であって、この社会的報酬を得ることによって成果が上がるという事が実験により、科学的に証明されているのです。

このように良い結果を生み出すなら、どんどん褒めて褒められて幸せになっていきたいところですね!
わたしも褒められるの大好きです!しかし、実際には褒められてもなぜかピンと来なかったり、手放しで喜べなかったりする事があるのです。
なぜなんだろう?

それを知るために、褒められた時の自分の心情を見つめ、褒めることに失敗してるなぁと感じる周りの事例を観察していくにつれ、単に褒めればいいって訳でもないんだな、という事が分かって来ました。
それで今回は「上手な褒め方」 についての考察を発表していきたいと思います。

「下手な褒め方」3パターン

case1  やたらと褒める

友達「A子って世界一可愛いよね!そのジャージもA子が着ると最新のパリコレファッションにみえるわ!そうやってぼーっとしてる姿なんてもう天使そのものだね!」

 

大袈裟になんでもかんでも無条件に褒める、というパターンです。
これはちょっと盛りましたけど(笑)とりあえず褒めとけばいいんだろ的な空気をかもしだしてる人!いませんか?
下心があるのか、若しくはバカにされているのか分かりませんが、褒められているのになぜか上から見られてる印象を受けて、これをされると警戒心しか湧かないです。
心にもない、わざとらしい褒め言葉は相手にもやはり伝わりますし、褒められている時の「そこじゃないんだよ」感がすごいですよね。 この褒め方では褒めた人の言葉やその人自身の信頼度が下がってしまって逆効果です。
また、特に親子関係などでは、ありのままの我が子を受け入れている事を示し、自己肯定感を得させる事は重要ですが、むやみやたらと褒めることにより、勘違いモンスターが誕生する可能性も大いにあるので注意が必要だと思います。

case2  成果や才能だけを褒める

母親「まぁ!D介ちゃん、また百点とったんざますね!すごいざます!賢くてママの自慢の息子ざます!」

 

「100点をとった」という成果や「賢い」「〇〇が得意」といった才能を褒めるパターンです。
これはよくある褒め方だと思いますが、「100点をとった」から「自慢の息子」という言葉は、裏を返すと「100点をとれない」のは「恥ずかしい息子」と言っているようなもの。
自慢の息子であり続けるためには、100点を取り続けさえすればいい訳ですが、成果や才能は自分がいくら頑張っても、100%コントロールすることは不可能です。
相手の期待通りの成果を出せなければ、自分には価値がない。才能が全てなら努力したってムダだ、というメッセージを、自分でも気付かないうちに暗に伝えている事になります。
これでは失敗しそうな事には最初からチャレンジしない方が良い、という考えになりそうですね

case3  人と比較して褒める

彼氏「K美ってほんと料理上手いよなぁ!元カノなんて家事全く出来ないし、すっぴんは足の裏みたいだし、それに比べてほんとK美は可愛くてよく出来た彼女だわ」

 

この褒め方する人結構いませんか?本当に複雑な気持ちになります。
人と比べるというのは、業績を伸ばす上で、時に非常に有効な方法です。
例えば、会社において営業成績をグラフ化する、優秀な社員を表彰する、コンペを開いて企業同士を競わせる。人の競争心に訴えかける事で、普段とは比べ物にならないパワーを発揮する例は、至る所に見られます。

しかし、これが人格形成や内面の幸福感にあたえる影響を考えると、使う場面をよく選ばないと危険な褒め言葉、とも感じます。
他の人を物差しとした褒め方は、歪んだ自尊心や、他者を見下す態度、また他の人と比較して自分が劣っている場合には自分を卑下する事にも繋がります。
またこのように他人を落として、自分を上げる手法を使う人に対しては、「次はわたしを悪い対象として比較して他の人を褒めるのではないか」という気持ちにさせられます。
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では、一体どのように褒めたら良いのでしょうか。

「上手な褒め方」に変換してみる

➀ポイントを絞って褒める

友達「A子ってほんとセンスいいよね。普通の人が着るとダサくなりそうな服でもA子が着ると個性的でオシャレに見えるから不思議。自分に似合うものをよく分かってるよね」

 

自分が意識的に努力している点や自信を持っている点に相手が着目してくれて、そこをピンポイントで褒められるとすごく嬉しいですよね。
なんでもかんでも褒める事は意外と簡単ですが、ポイントを絞って褒めるためにはその人の事をよく観察したり、話を聞いたりして、その人の事をよく知っていないとできません。
「この人は自分の事をよく分かってくれてるなあ」そういう意味でも嬉しい褒められ方です。
心のこもってないたくさんの褒め言葉は相手の心にも残りません。シンプルであっても心からの一言が相手を長い間支えるという事はよくある事です。

➁才能だけでなく、努力も褒める

母親「まぁ!D介ちゃん、また百点とったんざますね!苦手な教科も繰り返し復習して諦めずに勉強してたからざますね!よく頑張ったざます!」

 

「100点をとった」という成果だけでなく、それまでに一生懸命勉強に取り組んでいた努力も一緒に褒められるなら、例え思うような結果にならなくても、継続して物事に取り組み続ける力になります。
才能ではどうしようもない壁にいつかぶち当たった時に、そこからコツコツ積み重ねて我慢するという下地が出来ている人って強いですよね。
また、アプローチにも価値があるという褒め方をされていると、結果が出なかったから自分はダメな人間だ、結果が出ないなら頑張ってもムダだという思考パターンに陥らないように守られ、自尊心も保てると思います。

➂その人自身を褒める

彼氏「K美ってほんと料理上手いよなぁ!メニューもどんどん凝った物が増えて、レパートリーも増えてるしすごいよ!可愛いしよく出来た彼女だわ」

 

他の人と比べてではなく、自分自身をきちんと見て適確に褒められると、単純に嬉しいですよね。
自分が彼氏にとって、比べる対象によって価値が上がったり下がったりする存在ではなく、絶対的に価値がある存在と思えるような褒め方をされると、安定した良い関係が築けると思います。
比べる時には、他の人とではなく過去のその人自身と比べて、成長している部分を褒められるとさらに頑張ろう!という気持ちになるかもしれません。

まとめ

この3つの褒め方に共通する点として、「相手の事をよく見ていないとできない褒め方」だと言えます。時には表面上のその人だけでなく、その人の奥深くまで洞察する事が必要なんですね。
褒め上手は人間関係を築くのも上手いと思いますが、そのためにはそれだけしっかりとその人と向き合う必要があるんだと感じました。

わたしは褒めるべき場面でも思ってない事は言えないという頑なさがある反面、人の良いところに目が行きやすいという点でとても得してます。
でもこれからは、単に褒めるのではなく、考察した点を意識して褒め上手目指してみます! わざとらしくない程度に!(笑)
あと、褒められたら素直に喜べる「褒められ上手」さんになりたい!可愛い!

ところで、近頃、「褒められて伸びるタイプ」の対義語である「叱られて伸びるタイプ」を全く見ないので、既に絶滅したんじゃないかと思っているんですが、皆さんの周りにはまだ生息しているでしょうか……?

なつめさんの褒め言葉は、スッと入ってくるし、本当にそう思ってるんだなぁと思えるんですよねぇ(←記事を参考に褒めてみた)。
叱られて伸びるタイプ、一人だけ知ってます! その人は叱られて落ち込んだとしても、根底である自己肯定感が揺らがない、健康で負けず嫌いなメンタルの持ち主でした。きっと幼少の頃から上手な褒め言葉をかけられていたのかな? 褒め言葉って大事だなぁ。

次回予告
10月19日(水)、トフィーによる小ネタ更新です!おたのしみにー!

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