リストラになる人の4つの特徴

こんにちは、トフィーです。実は、過去に勤めていた職場で、リストラが行われたことがあります。その時、私は人事部にいて、リストラに関する実務にあたりました。当時の経験を踏まえ、リストラを行う企業と、その対象になる可能性がある人の特徴についてまとめます。

リストラになる人の4つの特徴

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①社内に40〜50代の社員が異様に多く、若手は少ない

バブル期前後に入社した社員が多く、その後の世代の採用を絞った企業に勤めている。

②年功主義的な中堅〜大企業に勤めている

一年に一度は昇給し、よほどのヘマをしなければ、40歳前後でほとんどの社員が管理職待遇になれる。

③ポストが増えていないし、近年の売上も横這い以下だ 

過去は組織が拡大していたもが、ここ最近はずっと組織規模・売上規模ともに、現状維持である。もしくは縮小傾向である。

④自分自身が40〜50代だ

そろそろ子どもの学費が気になる年代だ。 

どうしてリストラ対象になるの?

■40代以上の絶対数が多い

まず、以下のデータをご覧ください。

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最新の、国内の就業者数と労働力人口をグラフ化したものです。就業者数は現在働いている人、労働力人口は働く意思と能力のある人(非就業者を含む)を指します。

最近、よく「人手不足だ」と話題になっていますね。こうして見ると、30代以下の労働力人口の減少が顕著です。少子化の影響が見て取れます。人手不足になるのも納得のデータです。

一方で、40代の就業者数は最も多いです。1970年代生まれ、第二次ベビーブーム世代ですね。50代も、30代と同水準の就業者数となっています。この内、40後半〜50前半が、バブル世代に当たります。

歴史が長く、中堅以上の規模の企業は、このグラフの年齢分布に影響を受けています。特にバブル期を経験した企業は、この時に採用を拡大している企業が多いです。そしてバブル崩壊を受け、新卒採用を極端に減らします。

結果、日本の人口ピラミッドと同様、企業にも40代以上の社員が多く在籍することになります。

■年齢が上がるほど高年収になるということは…

「人手不足なのだから、年齢関係なく、仕事を回せば良いのでは?」

と思われた方もいるでしょう。しかし、そう簡単にはいきません。その内の1つに、「年功主義」の弊害があります。年功主義とは、社員の年齢や勤続年数が増えるほど、会社に貢献しているとして、高い給料や役職を与える考え方のことです。

年功主義の企業では、40〜50代には、とても高い年収を支払っています。産業・規模にもよりますが、役職についていない(つまりヒラ)社員であっても、高年齢者には800万円近くの年収を支払っている企業もあるようです。

人数がとても多く、一人ひとりの年収もとても高い、となると、企業にとっては非常に大きく人件費を割いていることになります。

また、先ほどのグラフからもわかる通り、人手不足となっているのは若手層。つまり、「今後の主力層として、現場での仕事を担う、若手社員」が特に減っていると言えます。

そうした仕事に、年収500万円以上もらうような社員を配置するのは、あまりにももったいない。だったら年収300万円の若手を雇いたい!となるのは、普通の経営判断です。

■成長が約束された時代は終わってしまった

これが、高度経済成長期であれば、人件費を大幅に上回って売上を伸ばし、利益を出せるので、問題なかったのです。しかしそういった時代は終わりました。今後は、単なる売上拡大ではなく、コストを抑えて利益幅を確保することが求められる時代です。

にも関わらず、社員の高年齢化とともに、一人ひとりの平均年収は増え、利益を圧迫してきている…。

「リストラをしなくては、生き残れない」

と、経営者が判断した時、上述した①〜④の特徴を持つ社員が、真っ先に対象となるのです。

■これらは社員の属性であって、個性ではない

「働きぶりとか、人間性とか、そういう条件はないの?」 と、違和感を持たれた方もいるかもしれません。しかし残念ながら、定性的な評価は、これら属性の条件の前では無力です。

学歴重視で採用が行われるような、伝統的な大企業ほど、こういう属性の条件で、リストラを行います。ヒューマニズム的に批判するのであれば、「人を見ていない、消耗資源としか捉えていない」と言ったところでしょうか。

もちろん、圧倒的な業績や評価を叩き出しているような社員は、当然引き止められます。しかし、そんな層はごく一部です。

冒頭にも書いた通り、私はリストラを行なった会社にいました。 人間性の素晴らしい課長も、偏屈だけど面白い係長も、気性の荒い別部署の社員も、みんな「40歳以上だから」という理由で、辞めさせられました。

モーレツな労働観が残る、最後の世代

■彼らが今まで見てきた社会

40代以上、特にバブル期前後入社の40代後半以上の世代は、かなりドラスティックな時代の変遷を経験しています。

彼等が入社したての頃、会社の中の空気を形成するのは、「約束された成長」でしょう。高度経済成長、バブル期を経て、「モーレツに頑張れば会社は成長する」という成功体験が、組織を覆い尽くしていたのだと思います。だからやりたくもない残業やら、行きたくもない社内行事があっても、定期昇給・終身雇用・福利厚生、我慢すれば確実に課長以上になれる、何より転職なんて考えられない時代の風潮…といった動機により、働けたのではないでしょうか。 そんな価値観に埋没していたら、あっという間にバブル崩壊。第一次リストラブームが起こり、「成果主義」なる人事評価制度を取り入れる会社が増えた。不況だから事業の拡大もなく、ポストが空きそうにない。昇進が怪しくなってきた。昇給幅や賞与額は減った。福利厚生はどんどん薄くなり、退職金も減っているらしい。

それでも会社の業績が極端に悪化しているわけでもない。リストラなんて無いだろう。ましてや、これだけ毎日仕事を頑張っている自分が、その対象になるなんて…。

そしてある日、経営者が、久々に社員にメッセージを出すのです。

「これまで貢献してきてくれた社員には、心から申し訳ないと思っている」と。

■彼らが持つ、会社への一体感

私は20代にして3社目という、そこそこのジョブホッパー(転職を繰り返す人)なので、転職に対して何の躊躇いもありません。ですが、40代後半以上の方となると、そうもいきません。単純に年齢を理由にした恐れというのもありますが、それ以上に、転職への価値観が全く違うのです。例えるなら、今の20〜30代にとっての「起業」が、彼らにとっての「転職」という感があります。彼らは、終身雇用を疑わずにいた、最後の世代だからなのでしょう。

そんな彼等がリストラを突きつけられた時の衝撃は、想像に難くありません。

リストラが行われた当時、噂ではありましたが、「競合他社に、「雇ってくれ」と泣きながら懇願した社員がいた」という話を聞きました。真偽の程はわかりませんが、そうした噂も「ありえる」と受け止められる、そんな悲壮感が社内にあったのは間違いありません。 逆に、「こんな仕打ちを受けても会社に残るのか…」という経緯で、リストラを回避した方もいます。

もちろん、それぞれに事情があるのはわかります。ただ、そのマインドには、「会社への一体感」が働いていたように見えました。

「もし彼らが、もう少し会社との距離感を保っていたら、当時の社内の空気も違っていたのではないか」…と、思えてならないのです。

会社との距離感を社員が決める時代へ

40代以上、特に40代後半以上の社員は、ここまで述べた社会的・歴史的背景により、「会社への一体感」が根強いです。

しかし一方で、現代は「会社への一体感」を求められなくなってきました。 過度な残業を強いる企業は、批判されるようになっています。また、経営者も、「売上拡大のためにはいくらでも人件費をつぎ込む」というよりも「必要以上に人件費をかけず、生産性向上で利益拡大」という路線にシフトしています。その一環として、働き方改革に乗り出す会社が続々と増えています。 残業禁止や営業時間短縮、在宅勤務(リモートワーク)、地域や時間を限定した正社員制度、更には正社員の副業を認める会社まで現れています。

こうした社会背景では、かつてのように「夜まで、時には朝までモーレツに働く」という、会社と一体化するような労働観は薄れていきます。

その代わり、「会社との距離感」を保って、自分の労働者としての価値を高めていく必要があります。 「どのような時間量・時間帯で働きたいのか」「どのような場所で働きたいか」、更には「この会社にはいつまで働くのが良いか」「この会社を辞めた場合、次はどのように働くか」という、「組織との距離感」を持って、自分の働き方を主体的に選ぶことが求められます。 一方で、「望む働き方で、ちゃんと賃金に応じた成果を上げられる」という実力を身につけなければなりません。そうでなければ、会社からはお払い箱になってしまうという、シビアな側面もあります。

以前、Microsoftのリモートワーク導入事例セミナーを聞きに行ったとき、人事担当の方がおっしゃっていたことがあります。

「育児や介護をしている社員には、他の社員よりも求める成果を下げる」のではなく、「育児や介護があっても、他の社員と同じ成果を上げる」ためのリモートワークです。リモートワークは福利厚生ではなく、生産性向上を最大の目的とした手段です。

生産性と働き方改革の関係を理解する上で、最も明快な説明だと思います。

■まとめ

40代後半以上の、「会社への一体感」が強く残る世代ほど、会社からリストラされる可能性を孕んでいるというのは、あまりにも皮肉な結果です。

だからこそ、40代後半以上の会社員は、「会社への一体感」から脱却し、「会社との距離感」を再考する時期にあると思います。

もしも自社が突然リストラを行ったとしても、「会社との距離感」を保って働いていた社員は、虎視眈々と自分の実力を磨き、「いつでも転職できる」「次のことを考えてある」と、準備ができているのです。そして、転職に困らないような社員は、今いる会社でも必要な社員であることが多く、有利な条件で引き止められる可能性もあります。 しかし「会社への一体感」に引きずられている社員だと、リストラという現実に必要以上の精神的ショックを受けて、立ち直りが遅くなったり、不利な条件で会社に残ったりしてしまうのです。

「会社と労働者の関係」というのは、私にとっての探求テーマの1つです。そんな私が考える理想の会社員像とは、『会社員でありながら、会社との健全な距離感を保ち、自分のキャリアを自主的に選択できる』というもの。所属はしても依存はしない…そんな自立した会社員が増え、社会が活性化することを、夢見ているのです。

「会社との距離感」ハッとさせられる言葉!会社に利用されるのではなく、いい意味で会社を利用して、自分の財産(資格や技術など)を蓄える事が必要な時代になっているんですね。リストラとは無縁の業界にいてもこれは言えることだと思うので、虎視眈々と実力を磨いていきたいと思います!

次回更新予定は3月15日(水)なつめによる小ネタ更新です!お楽しみに。

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